http://www.tuis.ac.jp/info/1453.html
千葉市にある東京情報大学で行われた「情報教育研究フォーラム」に昨年に引き続き参加した。
午前は東京情報大学の教員らによるスピーチに始まって以下の内容だった。
- 「プログラミングは楽しい−プログラミングから学んだこと−」千葉県立柏の葉高等学校情報理数科3年生(生徒発表)
- 「テレビ会議システムを用いた高大連携授業から」東京農業大学第一高等学校 教諭?川崎 剛
- 「科学的な理解を深める授業の工夫?−音のディジタル化とその実習−」東京情報大学 准教授 西村 明
- 「情報の科学的な理解、情報の科学、情報科学?−何が大切な概念か−」聖心女子大学
教授 永野和男
特に招待講演の永野先生の発表では、いろいろ興味深いエピソードを聞くことが出来た。
- 現行学習指導要領にある「情報の科学的な理解」は、将来「情報の科学」という項目へのステップアップするための布石であったこと
- 教育や学習に生かすICTを考える場合、教育や学習について深く考えること、新しい技術は何に役立ちそうかと考えることが重要
- 人が一生に読む情報量はGByteオーダー、一生に見る情報量はTByteのオーダー。これらの単位が普通となった今は情報を整理して引き出す能力が重要
- 情報教育の2本の柱:「他教科においての情報」→わかりやすい形として下の学年に下ろしていく、「教科内容を軸とした情報」→専門としての情報科学をベースに態度、活用能力
- 大学入試などで情報Aが情報Bと情報Cの足を引っ張ってきた。それが解消された新学習指導要領からが新たな情報のスタート
などである。
午後は二つの分科会に別れて
A班 授業プランを考える
- 「情報通信ネットワークの仕組み」−プロトコルをのぞいてみよう− 井関文一(東京情報大学教授)
- 「問題の解決と処理手順の自動化」−ゲーム作成によるプログラミング教育モデル− 大城正典(東京情報大学准教授)
- 司会進行:滑川敬章(柏の葉高校教諭)
B班 教材を作成する
- 「シミュレーション(問題解決)教材作成」−Adobe イラストレータCS4,FlashCS4を使用し,ActionScriptを活用した教材作成− 安岡広志(東京情報大学講師)
という内容。
私はA班に参加した。
前半は、プロトコルを覗くためのゲートウェイのソフトウェアを開発し、それを使ってもらうことで様々なプロトコルの実際の通信を可視化しようというこころみであった。
しかし、後半の急に付け加えた実習が多くの参加者で消化不良のまま終わってしまっていた感じがあった。
高校の情報の教科書でプロトコルにどの程度の説明があるか、などとの情報とリンクした発表だとより実践的なものになったと思う。
また後半の「ゲーム作成によるプログラミング教育モデル」では、私も情報Bのアルゴリズムの単元で悩みがちな、どの程度生徒にコードを与えて、どの程度考えさせるか、あるいはどのようなコードの提示の仕方をするかという点でかなり参考になった点がある。
しかし同じような資料をすぐに作るのは難しそうである。
コーヒーブレイク、閉会式を経て、情報交換会が行われたのだが、妻との都合があり、早々に帰宅しなければならなかったのが残念であった。